徒然なるままの徒然日記

その時熱中しているものの忘備録

クロスゲーム コウはいつから青葉のことを好きなのか

とあることをキッカケに、小学生の時に夢中になって読んでいたなぁ…と思い出して、久々にクロスゲームのアニメを見返してみた。

 

本当は原作を読み直したかったが、あいにくマンガは実家に置いてきてしまったので、手元にはなし。アニメならすぐに見られたので、約12年ぶりに再視聴したら、まあ面白いのなんの。

 

小学生の時も面白いと思っていたけれど、大人になって改めて見ると、セリフや間から匂わせるキャラの心情や行動の理由に昔よりも気づけるようになってさらに面白かった。


若葉が最後に見た夢と、野球の才能は抜群で誰よりも練習しているけれど、性別が女であるが故に公式戦のマウンドに立てない青葉の悔しさを背負ってマウンドに立つコウちゃんのカッコよさったら!

 

昔もカッコいいと思ってたけどね。それは剛速球を投げる表面的な姿を単純にカッコいいな~と思っていた気がするので、今はコウちゃんの愛情深いところや優しい性格、背負うものへの覚悟など内面のカッコよさがとっても素敵だと思う。

 

そして、若葉との思い出があるから前に進めないコウと、若葉のことが大好きで「でも、奪っちゃダメだからね」の言葉に囚われているからコウに頑なな態度を取り続ける青葉。

 

似た者同士で惹かれ合っているのに、お互い素直になれない性格と、若葉との思い出が鎖のようになっていて、言葉で表すのが微妙な関係を続けているふたりの心情を考えると、切なくも最大級のときめきを感じる。

 

小学生の時は気づかなかったけど、大人になった今は、コウちゃんの青葉へ抱いてる気持ちが随所に描かれていると分かる。噓つくの得意だし、感情を表に出すタイプではないけど、青葉に惹かれてるっていうのは割と分かりやすく描かれているなぁ、と。

 

コウはいつから青葉のことを好きだったのか、自分なりに考えてまとめておこうと思う。

 

コウと若葉の関係

コウと若葉は、生まれた日も病院も同じで、近所に住んでいる。生まれた時からずっと一緒に過ごしてきた運命的な関係。


若葉はコウのことが大好きで、コウなら何でもできると信じている。そして、若葉の言葉通り、コウは大抵のことを器用にこなす。

 

若葉がコウに抱いている感情は本人の大人びた性格も相まって恋と言える。でも、コウが若葉に抱いている感情は、まだ恋とは言えないと思う。

 

クラスで一番可愛くて、学年でも一番可愛い。世界中で一番可愛いと思っているけれど、それは恋に成熟する前の感情なんじゃないかな…と。

 

コウと青葉の関係(小学生)

小学生の時のコウと青葉の関係を一言で表すと、「犬猿の仲」である。若葉のことが大好きな青葉は、若葉をいつも独占するコウのことが気に入らない。

 

顔を合わせればいつもケンカをしている。この時の青葉は、コウのことが「大嫌い」という感情が強い。でも、自覚はないけど「強くコウのことを意識している」そんな感じ。

 

コウの方は、野球で青葉に負けたことが悔しくて、トレーニングを始める(若葉に勧められたのもあると思うけど)

 

初めは嫌々やらされていた野球だけど、小学生で女の子ながら凄く速い球を投げる青葉に憧れて、自分から野球に興味を持つ。

 

そうだったんですよね、野球に興味を持ったのは若葉の影響じゃない。コウ自身が青葉のピッチングに憧れたからなんですよ~!

 

コウが野球部に入部してから物語が加速

物語が第二部に突入して、コウが中学3年生、青葉が中学2年生になった時、コウの青葉に対する態度は軟化している一方で、青葉は相変わらず頑な。「大っ嫌い!」と本人に言うほどである。

 

若葉の「奪っちゃダメだからね」の言葉に囚われているのもあって、無意識に「コイツは好きになってはいけない奴」と思っている。でも、真意はどうであれ、コウのことを意識しているのは明らか。

 

そんな青葉のコウに対する態度が軟化したのは、コウが高校に進学して野球部に入学してから。お互いの監督のクビをかけて戦った試合で、コウが1軍の打線を抑えて勝った時から、青葉の態度が変わる。

 

いや、それよりも前、ピッチャーを志望した青葉が、コウの投げる球を打席で受けた時からだろう。手が出せなかった青葉は、選手としてのコウの凄さに気づき、認めていく。

 

翌年、青葉が高等部へ進学、野球部に入部するとふたりの距離はケンカしながらも縮まり、関係性もまた変化する。

 

コウから青葉への分かりやすい矢印

コウから青葉への分かりやすい矢印は随所に描かれていて、初めて分かりやすく表面に出たのは、青葉は初めて男とデートした時である。

 

何度誘いの電話がかかってきても一度も応じたことのなかった青葉がデートに出掛けたため、紅葉は相手が誰なのかコウの家まで確認しに行き、コウでも東でもないことを確認する。

 

紅葉から青葉がデートに出掛けたことを聞いたコウは、カップラーメンにスープを入れ忘れたまま麺をすすり、分かりやすく動揺。

 

その後、青葉のことを好きなイトコの水輝が登場し、青葉が高等部の野球部に入部すると、さらに分かりやすく描写されていく。

 

水輝はコウの青葉を巡るライバルのようなポジションで登場したものの、野球をやっていないこともあってだんだん影が薄くなり、代わりに東が浮上。少し可哀想。

 

コウの青葉への気持ちが分かる描写を羅列するとこんな感じじゃないかな。

 

・青葉の初デートの後に、どうだったのか探りを入れる

 

・ランニング中に見つけた青葉と水輝の相合傘が書かれた貼り紙をわざわざ戻って剥がし、丸めて捨てる

 

・青葉のことをよく分かっているしよく見ていて、ランニング中に足を捻ったことにも唯一気づいている

 

・新生野球部の地方大会初戦の勝利後、喜びに沸く部員たちから抜け出して、マウンドにたてない青葉の悔しさと投げたい気持ちを察して青葉のボールを受ける

 

・あかねの情報を教えに来て戻ろうとした青葉を呼び止める

 

・部活に遅れてきた青葉を心配して、家に電話、とっくに家を出たことを知ると近所を探しに行く

 

・打球の防御ネットを使わない青葉を真っ先に心配・使うようにすすめる

 

分かりやすいところをピックアップしてみると、割と分かりやすく青葉に矢印が向いている。

 

昔読んでいた時は、コウちゃんが青葉をすきなのかあかねさんのことを好きなのか分からなくてドキドキしていたが、今見てみると中学生以降のコウちゃんは初めから青葉に惹かれていると分かる。

 

むしろ、あかねさんの登場は、若葉との思い出があるから前に進めないコウちゃんと、「奪っちゃダメだからね」という言葉に囚われている青葉をくっつけるためなのだと。

 

コウはいつから青葉のことが好きなのか?

個人的に、コウちゃんは中学生の頃から青葉のことが好きだったんじゃないかと思う。

 

いろいろ訳があって中等部では野球部に入部しなかったものの、毎日トレーニングを続けていたコウ。

 

力みのない理想的なフォームで投げる青葉を参考にし、よく見て真似するうちに青葉の凄さと積み重ねてきた努力を実感して、憧れや尊敬が入り混じる気持ちを持ってたんじゃないかな。

 

少なくとも、青葉の初デートに動揺した高1の時点で好きになっているのは確実である。